今回は、ヤマザキマザック、オークマ、ジェイテクト(旧豊田工機)などとともに日系工作機械メーカー大手の一角を占める工作機械の株式会社森精機製作所を見てみましょう。森精機製作所は、子会社43社、関連会社5社で構成され、工作機械(マシニングセンタ、数値制御装置付旋盤及びその他の製品)及び計測機器の製造・販売をしています。
森精機製作所の得意先は、自動車産業、家電各社と言えます。
上はトヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱電機、日立製作所、松下電器産業の2001年から2005年までの企業力総合評価を表しています。
自動車各社は5年間を通じて青信号領域を安定したポイントを付けています。
しかし、家電各社は2002年の家電不況で鋭い谷を形成しています。家電各社のV字回復は2003年です。
右上、森精機製作所の2002年から2006年までの企業力総合評価を見て下さい。(前6社は2005年までの5年間ですので気を付けて下さい。)森精機製作所は2003年に谷で2004年にV字回復をしているのが分ります。森精機製作所の企業力は、得意先の軌跡の1年遅れであると言えます。
どんな会社も変化させなければ、得意先のコバンザメになってしまいます。その為、得意先の業績に無関心であると、いい時はいいですが、これが悪化して来れば、自分も同じように谷に沈むことを意味します。
得意先を分析すると言えば、債権管理はされるところが多いですが、営業戦略として、得意先を分析する必要があることが分ります。もし、悪化してくるのであれば、外国や他業界へ新規開拓をすることが必要となります。
2002年の家電不況の失敗を、その後、森精機製作所は克服出来たのでしょうか???
下は2007年から2011年までのトヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、森精機製作所の企業力総合評価です。2009年リーマン・ショックで企業力は大きく谷を刻みました。2010年各社がV字回復をする中で、森精機製作所は2010年が谷、2011年V字回復しています。
2002年家電不況の悪夢が繰り返されています。
2002年から2011年までの森精機製作所の企業力総合評価の変遷はぞっとするものがあります。
営業効率各指標の乱高下が大きいですね。
まとめ
歴史は戦場を上から見た者に常に軍配を上げてきたように、企業経営においても、戦場を上から見た者に常に軍配を上げるでしょう。
貴方のお客様の状況はいかがですか?
SPLENDID21NEWS第70号【2011年9月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。
関連記事